レトロフィルムカメラの世界
(金武 治)

最近ではフィルムカメラを撮影に用いる事は「特殊な事」になってしまいました。そのような状況ですが各種フィルムカメラを入手し、工夫しながら実際に撮影してみました。

Minox B (ミノックス判)
ドイツ製(旧西独)
東西冷戦期は世界各国のスパイが諜報活動に用いていたカメラと言われています。極めて小さいだけでなく、多くの機能が盛り込まれており機密文書の複写なども可能です。
使用フィルム:9.5mm幅

ミノックス Bで撮影した画像


相鉄線(相模鉄道)11000系電車

二俣川駅にて
(撮影地:神奈川県横浜市)

MINOLTA16II (16mm判)
日本製
MINOLTA16シリーズは日本の超小型カメラの代表的な機種です。撮影時はカメラを引き出して使用します(左側の状態)。撮影後カメラをケースに収めると(右の状態)フィルムの巻き上げとシャッターのチャージを行う仕組みになっています。焦点調節の機構はなく、固定焦点になります。(無限遠や接写時に厳格に焦点を合わせるための補助レンズが用意されている)。
使用フィルム:16mm幅

ミノルタ16II で撮影した画像


初めて超小型カメラでの撮影、現像等に取り組んだのはこのカメラでした。最初に現像したネガに写っていたのは、この欠けた画像1枚だけでした。

(撮影地:神奈川県厚木市)

Kiev 303& 30(16mm判)
旧ソ連製
日本のMINOLTA16を旧ソ連の光学機器メーカーキエフがコピーして製品化したものです。実際にほぼ同じ設計なのですが後に独自の改良がいくつかなされています。画面サイズが少し大きい事、焦点調節が可能である事が特に優れている点です。
使用フィルム:16mm幅

キエフ 30で撮影した画像

小倉橋(相模川)
(撮影地:神奈川県相模原市)

ANNY-10 (ボルタ判)
日本製
レンジファインダーカメラの名Nikon S2の外観を真似をして製品化した物のようです。子供向けの製品ですが、それなりにしっかりとした作りで、意外と良く写るカメラであると私は思っています。
使用フィルム:35mm幅(裏紙有り)

アニー 10で撮影した画像

 JR相模線 入谷駅 205系500番台
(撮影地:神奈川県座間市)


Edixa 16MB(16mm判)
ドイツ製(旧西独)
大変人気のある小型カメラローライ35の設計者ハインツ バースケ氏がローライに転職する前の職場で設計したカメラなのだそうです。ファインダー周辺など雰囲気が似ているような気もします。
使用フィルム:16mm幅

エディクサ 16MBで撮影した画像


立石海岸

(撮影地:神奈川県横須賀市)

BELL14 (ミゼット判)
日本製
私が子供の頃に、いわゆる「ガチャガチャ」の景品として玩具店などによく飾ってあったカメラです。これは50年近く前に年上の従兄弟にもらった物で、私が入手した最初のカメラです。
使用フィルム:17.5mm幅
  ( 裏紙有り)


ベル14で撮影した画像


自治会館のベンチ
(神奈川県座間市)


(※現像時のトラブルでムラが発生)

bencini COMET  S
(127 ベスト判半裁)イタリア製
今ではあまりカメラ製造と縁がない国であるイタリアで製造されたカメラです。簡素な機構ですが焦点調節は可能で、大変よく写るカメラです。

ベンチーニ コメット Sで撮影した画像


牧場の建物(服部牧場)
(撮影地:神奈川県愛甲郡愛川町)


ANNYー10 Super 
(ボルタ判)日本製
高級レンジファインダーカメラNikon SPに外観が酷似しています。これもNikon SPに似せて製造したもののようです。本物のNikon SPはクラシックカメラの中でも特に人気がある機種で現在でも大変高価な値段で取引されていますが、これは銀座の中古カメラショーのジャンクコーナーで500円で入手した物です。
使用フィルム:35mm幅(裏紙有り)

アニー 10 スーパーで
撮影した画像
(準備中)


Konilette II (コニレット判)
日本製
小型のスプリングカメラです。撮影にはこのカメラ専用パトローネが必要なのですが現在では入手困難な状況です。実は私も持っていなかったので通常の35mmフィルムのスプールを改造し代用して撮影していました。ところが、最近になり2本続けて専用パトローネを安価に入手する幸運に恵まれました。コニカ製(小西六)です。
使用フィルム:35mm幅
  (パーフォレーション無しタイプ)

コニレットII で撮影した画像


このオートバイの名前は「ベンリー号」です。公称排気量は90ccですが、実際は85ccのようです。近隣地域の撮影などに用いています。

(撮影地:神奈川県座間市)


VISCA WIDE16
(16mmパノラマ判)日本製
大変広い画角(水平方向120°)の撮影が可能なカメラです。前掲の写真では撮影レンズは横を向いていますが、シャッターを切るとレンズが水平方向に首振り動作を行い広い範囲の映像を撮影することができます。
使用フィルム:16mm幅

ビスカ ワイド 16で撮影した画像


レンズが固定されている普通のカメラとは少し違った特別なパノラマ感が楽しめます。

三浦の漁港
(神奈川県三浦市)

手作りピンホールカメラ超広角3号
(120 ブローニー6×7判)
携帯性を重視し前機種よりも小さく作りました。超広角17mm程度(35mmカメラ換算)の広い画角が得られます。フィルムバックはグラフロックのものが使用できます。

(本カメラの製作工程の外部リンク)

手作りピンホールカメラ超広角3号
で撮影した画像

北八ヶ岳白駒池畔の山小屋(青苔荘)
(撮影地:長野県南佐久郡佐久穂町)

手作りピンホールカメラ準広角1号
(120 ブローニー6×9判)
私が作った1台目のピンホールカメラです。30mm(35mmカメラ換算)の画角が得られます。フィルムバックはハンザ製のロールフィルムホルダーを使用しています。
(本カメラの製作工程の外部リンク)

手作りピンホールカメラ準広角1号
で撮影した画像


登山道の木立
(山梨県南都留郡山中湖村)

MAMIYA16Super 
(16mm判)日本製
日本を代表する超小型カメラです。
ピント合わせも可能です。(目測式)

現状ではフィルムマガジンが入手難です。

マミヤ16スーパーで撮影した画像 


狛犬(栗原神社)
この狛犬様には子供の頃からお世話になっております。

(撮影場所:神奈川県座間市)

手作りピンホールカメラ超広角2号
(120 6×7、6×9判兼用)
超広角14mm(35mmカメラ換算)程度の広い画角が得られます。
フィルムバックは4×5判カメラ用ロールフィルムホルダーが装着できます。
(本カメラの製作工程の外部リンク)

手作りピンホールカメラ超広角2号
で撮影した画像


霧の樹林
(神奈川県足柄上郡山北町)

OLYMPUSカメラ 改造ピンホールカメラ
(35mm判)日本製
OLYMPUS製の顕微鏡装着用ボディーに自作のピンホール板を装着したものです。広角28mm程度の画角が得られます。

オリンパスカメラ改造ピンホールカメラで撮影した画像


上野公園の西郷像
(東京都台東区)



golden Steky(リコー製)
(16mm判)
日本製
このカメラの外装は金色ですが、金メッキの製品ではないようです。小型ですが大変しっかりした作りのカメラで、望遠レンズに交換することもできます。名称は「素敵なカメラ」という事のようです
使用フィルム:16mm幅

ゴールデン ステキーで
撮影した画像
(準備中)

FALCON CAMERA 
(127ベスト判 半裁)アメリカ製
米国で玩具のような感じで販売されていたカメラです。このカメラには元箱が付いていました。カメラの銘板に書かれている「NEW YORK」の文字が大変良いと思います。

ファルコンカメラで撮影した画像

相模原市渕野辺公園の
D51型蒸気機関車
(撮影場所:神奈川県相模原市)

このカメラで撮影したネガは大変不鮮明でした。原因はカメラの裏蓋にある窓(フィルム裏紙の番号確認用)から光が入りフィルムが感光してしまった事が原因のようです。裏紙に印字されている文字がフィルムに写ってしまいました。

Agfa ISO-RAPID IF
(RAPIDフィルム 35mm幅)
旧西独製
旧西ドイツのフィルムメーカー アグファが米国コダックの126カ-トリッジフィルムに対抗して商品化したラッピドフィルムを用いるカメラです。ラピッドフィルムは日本ではほとんど普及しませんでしたが、現在も販売されている35mmフィルムをラピッドフィルム専用のパトローネ(入手はやや難しい)に挿入する事で容易に使用する事ができます。(現像は自分で行いましょう)

アグファ イソ ラピッド IFで
撮影した画像


改装中の海辺の建物
(撮影場所:神奈川県横須賀市)

meisupi J型 
(ボルタ判)日本製
年配の方は東郷堂のカメラで写真を始めた方が多いようです。このカメラの製造元「東郷堂」はあの東郷元帥から名前を拝借した、という話を本で読んだことがありますが本当なのでしょうか?

使用フィルム:35mm幅、裏紙有り

meisupi J型 で撮影した画像
(準備中)

ASAHI PENTAX S(?)
(35mm判)日本製(?)
35mm一眼レフカメラは本コーナーでは対象外なのですが、奇妙な形態なので掲載しました。これは近隣の中古カメラ店で展示していた物です。
使用フィルム:35mm幅

アサヒ ペンタックス SP(?)で
撮影した画像(準備中)

管理者:金武 治(カネタケオサム)谷戸山写真工芸主催
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